内製か外注か
「内製と外注どちらがよいでしょうか」という話をしばしば聞きます。実は質問者の中ではすでに結論が出ており、あまり意味のある質問でないことが多いです。そこで本質的に何を知りたいのか深掘りしてみます。
要旨
内製か外注か
DXやITを推進するためにソフトウェアエンジニアは欠かせません。2022年時点で市場に対して求人倍率が3〜4倍ですので、明らかに枯渇しています。どこを見渡しても人手不足です。
体力や資本力のある企業は、優秀なエンジニアを好待遇で抱え込むことで、内製のメリットを最大限に活かすことができます。
外注に頼る場合には、よい関係性を構築することで、よい人材を確保しやすくなります。
内製のメリットと体制
「自社にエンジニアを抱えていても、うちのエンジニアじゃできない」という話もしばしば耳にします。これはおそらく本当の意味で「エンジニアを抱えていない」か「一流のエンジニア以外はできないと思い込んでいる」かです。一流のIT企業にいる人材を確保し、そのような企業を目指しているのであれば年収2000万円でも3000万円でも出して優秀な人材を確保するべきです。そうでないのであれば、自社のエンジニアとともに「何を実現できて何を実現できないのか」を明らかにする必要があります。ほとんどの場合、自社ドメインのサービスを提供するためのシステム開発であれば、実現できることの方が多いはずです。
外注のメリットと体制
1点目は明らかですが、自社に開発の行える人材を抱えていないケースでは必然的に外注となります。まずは外注にて開発を経験し、そこから内製の体制を徐々に構築していくことも可能になります。
2点目については外注という体制上、自社のビジネスドメインを理解してもらい、実現したい内容を定義し、認識齟齬がないように要件を定義して発注をすることになります。 この段階を飛ばしていると成功確率の低い外注になります。
外注の場合の最大の注意点は「丸投げの外注は成功確率が低い」ということです。特に私が「責任の外注」と呼んでいるパターンでは、何か動いているらしいものがギリギリ完成し、使われないシステムができあがります。 外注の場合にも発注側の積極的な関与で、本当に自分たちが実現したいことに向かって協働することではじめて、市場のスピードに追いつき、選ばれるサービスを提供することができます。
外注でスクラム
外注でスクラムを行うこともあります。この場合、受発注の関係、法律の課題、契約不適合責任のあり方など、考慮すべきことが多くなります。単純に難易度が上がり、内製より難しくなるということです。 すべての企業が内製の体制を持つことができるわけではありません。外注では外注なりの戦い方があるという点を意識して進めていくことで、よりよいサービス開発へとつながるでしょう。
特に外注でスクラム体制を構築する場合には、発注者の積極的な関与が成否をわけます。